代表理事 令和元年7月のごあいさつ

2019年7月13日収録分代表挨拶

 今、韓国に対する輸出規制が非常に問題となっていて、韓国が必死にアメリカにもご注進して変えようとしていますが、やはりこうしたいわゆるAI産業が世界である意味死活問題になりつつあるということです。それについて思うのは、中国がこのファーウェイの問題で非常に強い力を持ってやってきたこと自体に対するアメリカの不信がはっきりしてきて、それから始まるある種の国家の破壊と言いますか、国家がそれでもって非常に危なくなってくるという問題が今実際に起こっているわけです。ですから今は中国に対してアメリカが、この技術を盗用するという問題について強く意思を出してファーウェイ潰しを仕掛けているのです。

 コンピューターをやっている方は分かると思いますが、今までの概念と全く違う情報を世界に発することができるし、それからまた自由に書くこともできる。同時に、これまでのメディア支配というのが完全に崩れていってしまう。ですから皆さんテレビと新聞を読んでいれば世界の情報が得られると思っていたものが、全部ある意味で作り物であったということです。ですからUPIとかロイターとか、全部ユダヤの牙城であったわけで、そして『ニューヨークタイムズ』ならぬ「ジューヨークタイムズ」それから朝日新聞、全てメディアがそういう状態でいたということがやっとインターネットの普及で分かってきました。

 ただインターネットの方も、技術的には誰がやっているかと言うと、これもやはりユダヤ人なのです。やはり今、ユダヤが分裂しているということがよく分かります。こういう情報機関が、はっきり言ってグローバルユダヤからシオニズムユダヤに変わっていくという状況があります。このシオニズムユダヤに変わっていく状況の方が日本にとってはるかにいいわけで、同時にそれは人間のアイデンティティの問題に関わってくる。つまり必死になってイスラエル国家を盛り上げようとする彼らと、それからイギリスがEUを離脱して独立して各国が自立していく中で、自分たちのアイデンティティ、人間の心の声を聞くという問題がやっと元に戻ってきた。今までは「グローバル」「インターナショナル」ですから、一体自分が何であるかいうことを考えることができなかった分を見出さなくてはいけないし、それがまた共同体の中にあるわけです。

 ですから中国の問題というのは、共産主義だったということです。つまり共産主義を宣伝するために、あるいは共産主義的な全体主義のためにファーウェイを使い、テクノロジーを使っていく。これが問題だったわけです。だから今、アメリカがやっていることの正義は何かというと、この全体主義は全体主義的なコンピューター人間を作る、機械化するということ。これはソ連の時代からそうであって、共産主義というのは人間を機械化させるわけです。ですからみんなファーウェイ製の機器をいじっている間に思想が変わっていく、洗脳されていく。つまり戦後のメディアがやったことと同じことを今度はインターネットを使ってやろうとしたのが中国だったと。それがバレて、しかもそれが全部盗んだ技術だったということです。韓国も同じですね。要するに日本から技術を盗んで、あたかも非常に新しい技術を自分たちで開発したかのように宣伝してきたわけです。ですから今我々がインターネットやコンピューターを使ったりして毎日見ていること自体が、同時に洗脳されているということです。これも我々がどういう風にそれに対処していくかということは結局、基本的には自分で考えるということなのですが、同時に日本国史学会のような場に来て下さるということが非常に大事です。

 私は12月に、テルアビブ学会に出てきました。そうすると完全に我々の場所というのを提供してくれて、いろんな話をすることができました。ですから基本的に、イスラエルの主流がそういうふうにやろうということになっている。それが「アメリカファースト」であるし、安倍さんのアベノミクスだし、各国が自国のアイデンティティを持った経済なり政治なりを行うということがこれからの重要な要素になってくるわけです。ですから、データ至上主義という言葉が本当に問題になってきています。インターネットをやるとデータは出てくるけれども判断ができないということが多くなってくるわけで、このこともユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』への批判につながります。洗脳される、言葉を与えられるとそれに囚われてしまって、そこで自分の考え方を決められていくということが今度は逆にインターネットで始まっている。そういうことに如何に対処するかというと、昔の人のようないろんな情報が生身の人の所に集まってくることによって情報を知るということがやはり賢明な手段だろうと思います。そういう時代になってくるということは非常に恐ろしいことで、中国という国が共産主義だということも忘れてはいけない。あれは完全に唯物論であって、精神性を失った文化であります。ですからそこから発する情報というのは全て、いわゆるモラルを失ったところがあります。だいたい共産主義革命というのは暴力革命です、暴力で権力を倒す、殺すということを平気でやるわけです。共産主義の国というのは大量虐殺をナチ以上にやるわけです。今も中国でやっていることはそれです。北朝鮮でもそれはやっている。ですからそのことを我々が完全に理解し、そして批判する方向にいかないと我々自身が危ないということがあるのです。

 いずれにしても、いつのまにかコンピューターそしてAI=人工知能の時代、車でさえも自動運転がされるということは、逆に言うと支配されやすくなるということでもあります。自動運転になると、別のテクノロジーでそれがいくらでも支配されうるわけです。今自分でコンピューターを使いながら本当に、そういう風に感じているわけです。やはり重要な問題は、日本人がそういう文化に染まらないということです。歴史というものを知ることによって、より自分の情報力を高める。だから皆さんがそれぞれの歴史といいますか、自分史と共に、自分のアイデンティティは何か、自分の心の声というのが何かということを、コントロールされる前に自分の本物の自己として知っておく。それが歴史を知ることであるし、歩くことでもあるわけです。周りに神社仏閣がありますし、そして風景そのものにもそういうものがあるだろうと思います。何が言いたいかというと、「情報」よりも自分で見たり体験したり歩いたりすることの方が、人間にとって大事だということです。そのことを強調しておきます。

令和元年7月13日:当会代表理事/東北大学名誉教授 田中英道